さまざまな効果・効用がある竹炭ですが、竹炭といえば一種類だと決めつけてしまいがちです。でも、実は竹炭と一言で言っても、種類があります。
竹炭の種類と、それぞれのもつ特徴を知ることで、より一層高い効果を求めることができますし、それにより快適な竹炭生活を送ることができるはずです。
この記事では、そんな竹炭の種類とそれぞれの効果・効用、最大の効果を発揮する使用方法についてご紹介します。
竹炭には種類がある!?
竹炭について調べてみると、値段や見た目などそれぞれに異なり、同じものとは思えないものまであります。
それもそのはず!冒頭でもご紹介したように、竹炭には種類があります。どれも同じだと思っていた竹炭に違いがあることに驚かれる方も多いのではないでしょうか。
竹炭という名前から分かるように、竹を焼いた炭であることは同じです。でも、使われている炭の種類や、産地、どんな窯を使ってどんな方法で焼くか(工程)…などにより、竹炭自体の本質や製炭の難易度が異なります。
色や効果・効用等さまざまな面で違いが生まれますが、価格に関しても差があります。
高い方が効果・効用があると思いがちですが、価格と効果・効用は必ずしもイコールではありません。
竹炭を購入する際には、値段だけを判断基準とせず、それぞれの持つ効果・効用を知り、用途に合った竹炭を選ぶようにしましょう。
竹炭の種類は大きく分けて2種類
竹炭として用いられる竹は、淡竹(ハチク)・真竹(マダケ)・孟宗竹(モウソウチク)・根曲がり竹(ネマガリダケ)などです。日本においては、約8割が孟宗竹と真竹が占めています。
さらに用いる竹を問わず、竹炭は、大きく分けて「黒炭」と「白炭」の2種類に分類されます。
偽物の竹炭にご注意
市販されている竹炭には、良品と悪品とのバラツキがあります。
本物の竹炭と、悪品の竹炭とでは製造方法に大きな違いがあります。悪質の竹炭の場合、炭焼きの工程で灯油をかけて焼いていることも…。コストを下げるために行われているようですが、それでは満足のいく効果・効用を得ることはできませんし、食用として用いることを検討されている場合、非常に危険です。
一般人である私たちには、その見分け方が分からないため、製造元がきちんとしていることや値段などを比較した上で決めるようにしましょう。
竹炭は「黒炭」と「白炭」の2種類
竹炭には大きく分けて黒炭と白炭の2種類があり、黒と白との色の違いがあるわけですが、元々同じだったものを分けるのは火を加えた後の消し方にあります。
より詳しくご説明すると、竹炭を窯に入れて火を加え、炭化が終わる約400℃程度で窯に空気を入れて炭剤から出たガス分を燃焼させることにより温度を上げる工程を、「ネラシ」と言い、黒炭と白炭とではネラシに大きな違いがあるのです。
黒炭は、通気口である焚き口を細め、炉内を400~700℃の低温をキープさせます。低温にすることで、時間をかけてガスを燃焼させていきます。
それに対して白炭ですが、炉内を1,000℃以上にする必要があり、精錬のタイミングや送り込む空気の量を作り手が調節しなければいけません。そのため、鍛錬が必要となり、価格も高くなります。
竹炭と木炭の違いとは?
竹炭とよく似ているように感じる木炭との一番の違いはその形状にあります。竹はその形からも明らかになっているように、空洞部分が多く木炭よりも焼くことが困難とされています。
しかし、木炭よりもさまざまな効果・効用を期待できる上、ミネラルが豊富に含まれています。炭火としてはあまり適していないことから、「炭」というイメージに捉われすぎず、使い分けることが必要となります。
黒炭と白炭の特徴の違い
作り方が異なるだけではなく、黒炭と白炭とではそれぞれの持つ特徴にも違いがあります。
例えば、竹炭の最大の効果である吸着効果。吸着効果により、消臭効果や除湿効果などさまざまな作用に繋がっていることから非常に重要な効果です。
400~700℃の比較的低温で焼かれた黒炭はアンモニアをはじめとするアルカリ性物質をよく吸着するのに対し、1,000℃以上で焼かれた白炭は、有害化学物質などの酸化物質を吸着することに長けています。
世界で主に作られているのは黒炭であり、白炭はというと日本を中心に中国文明の伝統を受け継いだアジアの中でも一部に限られていることから希少価値が高いものとなります。
ちなみに、木炭の中で最も知名度が高いものには「備長炭」があります。この備長炭は、他の炭と比較しても非常に硬く、品質の高さから「炭の王様」とも評されています。しかし、吸着力に関して言えば竹炭はこの備長炭と比較しても約3倍!いかに竹炭が高い効果を発揮できるかがお分かりいただけるかと思います。
同じ炭でも、違いが多いことをご理解いただけたところで、続いては、それぞれのもつ特徴について、詳しくご紹介していきます。
黒炭の特徴
黒炭が、黒い理由は、その工程にあります。焼いた後、火が消え窯が冷えてから窯の口を開いて取り出すため、白炭にように灰がつかず表面が黒いのです。
黒炭の特徴を以下に挙げてみましょう。
- アンモニアのようなアルカリ性物質をよく吸着する
- 多孔質で、吸着力が高い
- 消臭に適している
- 珪酸が豊富
- 叩くと、鈍い音がする
白炭の特徴
白炭は、焼いた後に表面に灰がつくことにより白炭と呼ばれています。炭質が硬いため、「カタズミ」とも呼ばれています。
白炭の主な特徴がこちらです。
- 有害化学物質などをよく吸着する
- 炭化度が均一
- 不純物が少なく、伝導率が良い
- 遠赤外線の量が多い
- マイナスイオンを生成する働きが多い
黒炭と白炭の有効な場面
それぞれの特徴が異なることから、有効な場面も異なります。せっかく竹炭を使うのであれば、竹炭のもつ効果・効用を目いっぱい活用したいと思いますよね。
同じでないからこそ、使い方次第ではそれぞれの違いを活かして、効果を存分に得ることができます。
黒炭と白炭の、有効な場面についてみてみましょう。
黒炭の有効シーン
黒炭は、消臭効果に優れていることから、消臭対策において高い効果を発揮します。それは、黒炭のもつ多孔質であり、内部表面積が広い分吸着力が高いことが理由にあります。
特にアンモニア臭などのアルカリ性物質の吸着力が高いため、トイレや車の中、玄関など強い臭いの対策におすすめです。その作用を活かし、ドラッグストアなどには、黒炭の力を利用した消臭剤なども展開されています。
また、家庭菜園や園芸、ガーデニングなど土づくりにも効果的です。
といいうのも、竹はもともとカリウムとケイ酸が豊富な植物です。ケイ酸には植物の茎や葉を強くし、植物の生長に必要不可欠である光合成を促進させる効果があります。
ただしケイ酸は750℃以上で炭化すると、溶け出てしまうことがあることから、竹炭のもつケイ酸を余すことなく使うためには低温で焼かれた黒炭が適していると言えます。
白炭の有効シーン
1,000℃以上の高温以上で焼かれた白炭は、硬質でくずれにくいという特徴があります。そのため、水の中で使うことに適しており、水道水の消臭や浄化、炊飯用に適しています。
消臭に関していえば、低温で焼かれた黒炭同様吸着力に優れていますし、カルキ臭の元となる塩素やカビ臭など水の中の不純物を浄化することができます。
では、白炭を有効活用するシーンを挙げてみましょう。
飲用や炊飯用
さらに、遠赤外線の微弱なエネルギーに反応し、水の分子が小さくなり滑らかな水質へと変化して水分が物質に浸透しやすくなります。
白炭を炊飯器に入れて一緒に炊くと、お米に含まれる水の量が約17%も増えると言われています。そのため、ふっくらと美味しいご飯が炊きあがり、竹炭からミネラルも補給できるので栄養化も高くなります。
学物質過敏性対策やシックハウス症候群対策
有害物質などをよく吸着する性質から、化学物質過敏性対策やシックハウス症候群対策にも効果的です。このような症候群は、建材や塗料、接着剤などから検出される揮発性化学物質が原因とされています。白炭は、化学物資を吸着してプラスイオンを中和させリラックスさせてくれます。
食用として体に取り入れる
最近では、竹炭を食用として用いられることも増えています。食用として体内に入れることで、体内の有害物質を吸着し、不要な物質を排出して体内環境を整えることができます。さらに、デトックス効果や遠赤外線効果など幅広い効果を期待することができます。ちなみに、食用として用いる場合には、800℃以上の高温で炭化されている必要があります。
美容グッズやスキンケア用品
近年、竹炭が配合された美容グッズが展開され注目を集めています。竹炭をシャンプーやリスなどのスキンケア製品に配合することで、竹炭のもつミネラルによる保湿成分が肌や髪の毛に潤いを与えることができます。白炭であれば、水の分子集団を小さくして肌や髪の毛の奥深くまで浸透させることができるので、竹炭が配合されていない美容製品との違いを実感することができるはずです。
入浴時に使用する
白炭を、ネットや布袋などに入れて湯船に入れると、竹炭が過熱されることで遠赤外線効果を高め、血行促進効果により体を芯から温めることができます。また、汚れの原因となる有機物が竹炭の細孔に着生する微生物により分解されるため湯船の気になる悪臭や湯垢が少なくなります。
快適なバスタイムに欠かせない存在と言えるでしょう。
埋炭用
最後に、埋炭用として用いるのであれば、高温で焼いた白炭あるいは良質な黒炭に限られています。埋炭用として竹炭を使うと、生気が溢れて癒し効果を得ることができます。これは私たち人間だけでなく、ペット(動物)や植物でも同様の効果があり、有害な電磁波を吸収して逃がしてくれます。白炭で快適空間を手に入れましょう!
黒炭・白炭どちらでも有効に使える場面とは?
異なる効果・効用を得られる黒炭と白炭ですが、大元が竹炭であることから、どちらでも有効に使える場面もあります。
では、黒炭・白炭どちらも使うことができる方法についてご紹介します。
野菜や果物の鮮度保持や、花を長持ちさせるために使う
竹炭を使うことで、野菜や果物の鮮度を保持することができたり、花を長持ちさせることができます。それは、竹炭のもつ作用によるもので、作物から発生し熟成を促進させてしまうエチレンガスを吸着することができるからです。
食材を保管している冷蔵庫や花を活けている花瓶に一緒に入れておくだけなのでとても簡単です。冷蔵庫で使用する場合には低温で焼いた黒炭を、花瓶の中で使用する場合には崩れにくい白炭を使うなど、場所に合わせて使いわけると良いですね。
床下用敷き炭にする
竹炭を床下に入れることで、竹炭のもつ除湿・調湿効果を期待できます。古くから高温多湿の日本の風土には欠かすことができない必要なものです。
床下用竹炭には炭質の制限はなく黒炭・白炭どちらでも問題ありません。簡易製炭法で作られた雑炭でも十分効果を期待することができます。
上質か否かよりも、コストパフォーマンスを重視して使用する炭を選びましょう。おすすめは、竹炭を粉砕し、ロータリーキルン窯などで焼かれた竹炭です。炭化度が均一であることから、高い除湿効果を発揮します。
床下のみならず、タンスや押し入れなど湿気が溜まりやすい場所に置いておくと、湿度を適度な状態に調整し、湿度を気にせず快適に過ごすことができます。
リラクゼーション効果
竹炭は、空気中のマイナスイオンを増やして心を落ち着けるリラクゼーション効果を期待することができます。炭の香りも心を落ち着ける作用があり、竹炭はまさに森の癒しの力を凝縮したものと言うことができるでしょう。
リラクゼーション効果を求めるのであれば、竹炭をインテリアとして用いたり、部屋に数か所置いておくだけで手軽にその効果を得ることができます。
定期的にメンテナンス・取り換えをして、日々の疲れを癒しましょう。
目的に合わせた竹炭選び~まとめ~
同じだと思っていた竹炭にも、種類や特徴の違いがあることをご紹介しました。ただ値段が高ければ良いというわけではありませんし、何よりも重要なのは用途に合っていることです。
竹炭というだけで効果・効用を期待しますが、せっかく利用するのであればそれぞれの持つ効果を最大限に得たいですよね。
種類と特徴を知った上で、使い分けることができればより一層竹炭が身近なものとなるはずです。まずは、竹炭を、生活のどこに取り入れたいのかを考えた上で、竹炭の効果・効用を最大限に取り入れましょう!